メイド アイリスのつぶやき

ぼくがあのぎんゆうし人さんとはじめて会ったのはいつだろう。 
おやすみをもらってまちをあるいていると、聞きなれない音がくが聞こえてきた。
にぎやかなさかばから聞こえる音がく。
さかばなんていったこともなかったけれど、もっと聞いてみたくなった。
 ぼくはとびらをあけてさかばへはいった。
 そこにはわらいごえとにぎやかなうたごえ、そしてはじめて聞くがっきの音!なんてすてきなんだろう。
 このきもちをうまくあらわせない。
 今まで、なんとなくくらしてきたぼくがこんなにもすきになったもの。それが音がくだった。 

 それからぼくはときどきさかばへいって、ぎんゆうし人さんにおねがいして、いろんな歌をおそわることにしたんだ。
 やしきをこっそりぬけだすこともあった…ごめんねカーンさん。
 ぎんゆうし人さんはなまえもなのらないしどこの国の人かもわからない。ただつぎにいくまちのなまえだけをぼくにいって、ふらりとこのまちからいなくなる。
そしてまたふらりとこのまちにもどってくる。

おやしきはきらいいじゃない。ごしゅ人さまはとてもそんけいできる人だし、カーンさんはこわいけどぼくにとってたったひとりたよれる人。
 グロリアはちょっとなにかんがえてるかわかんないときもあるけどぼくはああいう、じぶんというものちゃんともっている人はすごいとおもう。
フォリアはたよりないし、どじばっかりするけどみんなにすごくすかれてかわいがられているのがわかる。
 でもぼくは、からっぽだ。ぼくはこのままここにいていいのかな…。 

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